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夢博士の独白



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盲目の扉又は聖書の真実、地球に堕ちたロックスター、超越的存在と英訳された私の死

 私の「左眼」に薄くて透明なフィルムが貼られる。私の「眼球」を正しく切り開くための「被膜」が張られる。それは、事前ではあるが、一方的に告げられた「手順」でした。拒むことのできない小さな「死」への「入口」が視えてくる。引き返すことのできない「扉」の向こうには、「聖書」を読むまでもない「真実」が待ち構えている「予感」がしたのです。
 デヴィッドの「左眼」は純血の緑色だったのだろうか、それとも灰色の「銀狼」との混血だったのだろうか、何れにしても正常な「右眼」とのバランスを失っていたのは確かでした。「都市」を彷徨う老いた「銀狼」は、初めから「死」を見詰めていたのです。視えない盲目の「扉」が迫ってくる。「手品師」の滑るような「指先」が、鋭利な「刃物」を操っている。その金属の冷たく人工的な「閃光」が、私の「記憶」を呼び覚ましたのです。
 デヴィッドは地球人であるボウイを殺すことによって、異星人であるジギーに生まれ変わった。「観者」からしか視えない「偽者」のジギーを演じることによって、「本者」のジギーに成り切ることができた。そして、多くのロックスターの忘却という「死」を目撃したデヴィッドは、今度はジギーを殺すことによって、まるでイエスのように「他者」の「記憶」に生きることを選んだに違いない。
 ジギーとしての最後のコンサートでも、やはりブレルの「私の死」はインターバルの前に歌われていた。私の「記憶」の中でも、多くの「認識」の「紐」が次々と繋がって行ったのです。この「世界」は「認識」の数だけ「解釈」が成り立つのかもしれない。確か、スコットの最初のアルバムでも、「私の死」はA面の最後に歌われていた。二人の英訳された「歌詞」には違いはあるが、「死」は仏語本来の抽象名詞や女性名詞ではなくて、擬人化された男性名詞として扱われていた。私の「記憶」が浮かんで来たのです。「私の死」が、私の目の奥で歩き始めたのです。
 真新しい「墓標」が視えて来ました。その眩しさ、その厳かさに老い衰えた「放蕩者」は、思わず「顔色」を曇らせたのです。私は「口笛」を吹くが、どんなに強がっても、過ぎ去った「時間」には届かない。黒い砂漠の「流砂」には聞こえない。その先の「死」が、真夜中に現れる「魔女」のように待っているのです。
 朽果てた「墓石」が視えて来ました。その周りには、漆黒の「影」が蹲っていたのです。それらの「影」が、申し合わせたようにして散らばっていく。献花された「花束」、咲き乱れた「花園」、生い茂った「草花」、それらの至るところに隠れて、「死」は忍び寄っているのです。あの「手品師」の大きく開いた袖口から、「白兎」と「黒犬」が走り去るのが視えました。盲目の「扉」は予告なしに開かれるのです。
 ブレルの「歌詞」が繰り返して続く。例え「扉」の向こうに何が待ち受けていようが、敢えてすることは何もない。それが「天使」であろうが「悪魔」であろうが、私の知ったことではない。確かなのは、その「扉」の前には、いつも「貴女」がいて、その冷たい「指先」が、いつか私の「両眼」を閉じることなのです。私の目の奥では、忘却の「帆船」が白い「航跡」を描いている。それは、不可逆的な「過去」を引き摺りながら曳航している。
 スコットは、アイドルと見做されることを「拒絶」することで、自らの「人格」を創り上げた。一方、デヴィッドは、自らのイメージを創り変えることで、ロックスターとしての「延命」を計り、その商業主義と芸術性の折り合いを付けることに成功した。彼等は、自らの絶頂期に自らを葬り去ることによって、いかにして「死」を迎え入れるのか、いかにして「生」を終わらせるのかを、常に「意識」していたのです。
 いくつかの「墓地」を通り過ぎて行く。すると、遥か「彼方」に「高山」が観えて来たのです。超越的な「存在」が、この世からの「孤高」が見えて来たのです。デヴィッドの「訃報」が届きました。私は、あの「頂上」に在って、この世を見下ろすことの「孤独」と「恐怖」を想ったのです。そして、遥か「彼方」に超越的な「存在」が視えたからこそ、救われたことを思ったのです。
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by artbears | 2016-03-29 20:55 | 連白


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