夢博士の独白



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黒くて深い闇又は夢、自由を求める精神とジャズの変革、秋空又は澄み渡る意志の光景

 黒くて深い「闇」なのか、それとも「夢」への類推性を生む「空間」なのか、とにかく、私は「頭」をもたげることにしたのです。すると、独りっきりの「私」が向こうに視えてくる。私の身体システムが「情報」を統合する。私の情報システムが「意識」を起動する。私は「私」に追い着いたのです。
 暗くて浅い「夢」なのか、それとも「闇」との類似性が生む「空間」なのか、薄暗がりのなかを消えていく誰かの「後姿」が視えたのです。私の「意識」が追い掛ける。その「対象」を掴もうとする。それはすり抜ける。それは消えていく。
 周りを見渡すと、白くて濃い「霧」が立ち込めていました。まるでミルクのような「気体」が「泉水」となって湧いていたのです。私は「濃霧」のなかに迷い込んでしまったのです。私自身を見失ってしまったのです。
 隣りを見遣ると、未知なる永遠の「他者」である「私」が寄り添っていました。私という自己肯定性と「私」という自己否認性が、私という「場所」のなかで出会っていたのです。私という自己限定性の「世界」を創っていたのです。
 一つの「属性」に閉じ籠もることはない。未知なる永遠の「他者」の自己否定性を受け入れなければいけない。鮮烈なる永遠の「他者」に自己限定性を明け渡さなければいけない。そこには、自己解体による可能性が存在する。そこには、自己解放による「自由」の領域が存在する。ポスト・フリーの「地平」が見えたと想ったのです。
 私達は「視線」を再び足元に向けました。「霧」が「闇」と溶け合って、重層的な「空間」が形成されている。それは、ジャズの生きた「記憶」の堆積のように見えたのです。その「歴史」の断層から、コルトレーンの「苦悩」が亡霊のようにして現れたのです。
 白くて権威主義的な「部屋」がいくつも並んでいる。黒くて抑圧主義的な「扉」は開かれることを「拒否」している。白い「部屋」の中でしか、黒い「音楽」は演じられることを許されない。音楽形式と語法の「制約」が負わされて、二律背反と自己分裂の「情況」が続く。黒人の自己同一性が「危機」に面していたのです。その表現の「自由」の欠如、そのジャズの根元的な「矛盾」に対するラディカルな異議申し立てがなされたのです。
 白い「部屋」は黒い「精神」によって、次々と破壊されました。西欧的な「制約」は再定義されて、新たな「変革」への道程が示されたのです。無邪気で無防備なアルバートの「自由」を希求する「精神」は、ジョンによって運動体として組織され、集合体としての「精神」に継承されたのです。
 目的を喪失したフリージャズは、もはや「自由」とは呼べない。破壊することで、その目的は遂げられている。後は、遥か「彼方」の「自由」へと漂流を余儀なくされる「運命」が待っている。紅い「血」の流れるセシルは、ユニットとしての「自由」への「意志」を組織化することに挑み、白い「肌」をしたスティーブは、個としての「自由」に「制約」を課することを選んだのです。
 アルバートは北欧の透き通るような「青空」を見上げていた。それは、彼にとっての「自由」の「象徴」のように見えたに違いない。やがて、絶望と失意のうちに米国に帰国する。突然のジョンの「死」、それを追うようにして自らの「死」を選ぶ。黒い「謎」が独楽となって回転している。それが、暗い「闇」の中に消えていく。しかし、彼等の遺したフリージャズの「精神」は欧州に根付くこととなったのです。
 私は京都の厳しい冬を前にした「秋空」を見上げていた。それは、澄み渡った「意志」の「光景」として、何処までも突き抜けていた。京都の「空間」には「自由」が存在する。その「空間」で、セシルは「自由」で在るための「闘争」を演じた。スティーブは「自由」で在ることの「危機」を忘れることはなかった。未明なる永遠の「冬」が続く。「自由」は、「春」の訪れを頑なに拒み、永久なる「冬」の寒さのなかで独り眠っている。
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by artbears | 2015-08-27 19:51 | 連白


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