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夢博士の独白



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イングランドの陰影と憂鬱、巨大な白亜の建物と内部に巣食う洞窟、虚偽の戦争の現実

 イングランド、その陰鬱でメランコリックな響きには、この目の奥に広がる土色に濁った「海」が似合っていると思ったのです。あれは、季節は限りなく冬に近い「秋」でした。漆黒の「夜空」には蟹座や蠍座が徘徊していて、孤独が錆び付いた「鉄橋」から見下ろすと、私の「影」が黒く鈍く光る「水面」に溶け込むように見えたのです。
 「夕闇」はとっくに落ちていました。その「夕闇」のカーテンの向こうから「足音」が近付いてくる。真っ赤なチェリーの「花弁」が予告もなく落ちる。まるで「生首」がボトンと落ちているように視える。あれは、「春」が去っていく「足音」だったのかもしれない。それらが連続した「音」となって、私の耳の奥で規則的に聞こえて来たのです。
 クリスの「足音」に間違いなかったのです。彼のエメラルド色の「目」に出会った「記憶」が蘇って来たのです。彼の先鋭なドラムの「音」が聴こえて来たのです。
 道路の両側には煉瓦造りの「建物」が並んでいて、それらは古くて暗く、「夜」のメランコリックな「気配」に満ちていました。土色に濁った「海」からの乾いた「風」が、「木立」を枯らしている。知らぬ間に、天界は煌々と「光」を放つ「月」に支配されていたのです。
 私は、私の「驚愕」をどこにも隠すことができない。巨大な「建物」が白い塊となって聳え立ってくる。私の「精神」が押し潰される。あのメランコリックな「気配」は、どこかの「路地」に追いやられたに違いない。後退りする私を、あのアパルトマンの「人影」が抱き抱える。抑揚のない「声」が、私の「背後」から、私の「返答」を待っていたのです。
 ショーウィンドウには、一枚のアルバムが飾られていました。いくつかの「洞窟」からなる不思議な「空間」が描かれていました。私は、一つの「洞窟」に「目」を奪われて、奥へ奥へと引き込まれて行ったのです。薄暗がりの中から浮かび上がる「階段」、ぼんやりと見える「通路」、それらの果てには、遠くて懐かしい「記憶」が待っているように想われたのです。性急なる「情動」が、私を突き動かし、死と背理した「誘惑」が、私を急き立てる。私はクリスを追って、全速力で「階段」を駆け上がったのです。
 逃げ惑う「群衆」とすれ違う。様々な「色彩」にペイントされた「顔」と鉢合わせになる。「色彩」だけが通り過ぎていく。私の情報処理の「能力」を超えたスピードで過ぎる。その中に、あの飛行機のモニターに映っていた「犯人」を視たという「記憶」が浮かんでは消える。「犯人」を追跡しているのか、彼から逃亡しているのか。私は、目の前の重厚な「扉」を無意識で開いていたのです。
 「部屋」に入ると、「映画」が上映されていることを告げる、もう一人の「私」が立っていました。彼が口元に立てた一本の「指」の言わんとすることを察した私は、黄土色の粘土質の「土砂」を固めて造った「階段」を慎重に降りて行ったのです。最前列の「座席」には、「少女」からの「手紙」が置かれているとも告げられていたのです。
 左右の「座席」はすでに瓦礫と化していました。それらの隙間からは、憂いを帯びた動物の「目」が覗いていたのです。それらの純粋無垢なる「目」に見詰められる。「階段」を降りようとする私を、彼らの「目」が執拗に追う。「返答」に窮する私を、問い詰める。私の「精神」は、名付けようのない茫漠とした無知無明の「地平」とつながったのです。
 「画面」には、容赦なく「爆弾」を投下している爆撃機が映されていました。地上では無音の「花火」が次々と開き、「狂気」にして完全完結なる「消費」が繰り返されていたのです。これは「映画」なのだと言う、もう一人の「私」の言い訳が空々しく聞えました。この大量殺戮の「狂気」が堰を切った「洪水」となって、この「部屋」に押し寄せてくる「光景」が、目の奥に現れたのです。
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by artbears | 2014-08-24 16:49 | 連白


ソフトマシーン・やわらかいきかいのひとりごとです
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