夢博士の独白



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静謐で神秘に満ちた水面、揺れる一本の意識の樹と飛立つ小鳥達、覚醒した精神的感覚

 少しの間の忘我の「時間」は振り向いてはくれない。吹き抜ける「風」が初めて、「時」の経過を気付かせてくれたのです。私の心臓の「鼓動」はと言うと、正確なリズムを刻むまでに安定していました。それに呼応するかのようにして、「水面」は、静かに限りなく静かに「振動」を開始したのです。それは、完璧な「瞬間」が身震いしているようでした。永遠なる「時間」が天から垂直に降下して、水平に展開しているようでした。それらの「瞬間」が「波紋」となって増幅し、やがて力尽きて一輪二輪と消えて行ったのです。その「光景」はとても静謐で、謎めいた神秘に満たされていたのです。
 少しの間の忘我の「時間」は引き返してはくれない。その「尻尾」を掴むこともできない。それに、私が忘れた「我」とはいったい何者なのか、その「我」とは失われた私の「意識」なのだろうか。ならば始めから、忘却の彼方の出来事だったとの「仮説」も成り立つ。私が私を「意識」したからと言って、それが、私の「存在」を証明しているとは言えない。私の「意識」は夢現の世界に点滅する「燈明」のように危うく思われたのです。
 吹き抜ける「風」が再び、私の「身体」に触れて通過して行きました。滑るような心地良さを感じました。息が詰まるような「静寂」の中、私はいっそのこと何もかも忘れて、眠ってしまいたい「誘惑」に駆られたのです。私は「死」を身近に感じたのです。しかし、私の一部の覚醒した「意識」は、それを許してはくれない。それは精神的な「感覚」でした。そして、私の断片的ないくつかの「記憶」が、混沌とした「意識」の「水面」に映し出されたのです。全体に青いイメージの「水面」が広がり、黒い頑な「線」が何かの「形象」を生もうとしていたのです。
 一本の「意識」の「樹」が浮かんで来ました。何本かの細くて黒い「枝」が揺れている。それは、動揺した「心理」のようにも視えるし、嘲笑と失笑を抑えた「感情」のようにも取れる。一本の太くて黒い「幹」が貫いている。それは、天から下された「啓示」のようにも視えるし、本能的な「欲動」を制御する「理性」のようにも取れる。様々な過去の出来事が「形象」として現れることを欲して、それが崩れて溶けて、今度は未来の出来事を「暗示」するかのように現れる。私の「意識」が揺れる、だんだんと薄れる、引潮のように逃げる。梢に群がる小鳥達が一羽二羽と飛び立つようにして、私の「意識」は消えて行ったのです。
 私の「目」はゆっくりと開きました。忘れられた「意識」が何処かから戻って来たのです。その「意識」は、少し前には誰かが「我」と呼んでいたものでした。しかし、その「意識」は私自身を決して忘れてはいなかった。そして、私は決して独りではなかった。突然の着信音が、そのことを報せてくれたのです。
 蝋細工のような誰かの「手」の動きが止まった。その向こうには、馴染みのある「色彩」が視えた。それは黒と呼ばれる「色彩」だった。次に、私の「手」だと判断できる身体的な「感覚」が蘇って来た。「色彩」と「物質」の名称とが手を結んだ。その時、一筋の「涙」が頬を伝って流れるのを感じたのです。そして、その純粋無垢な「物質」こそが、私の「存在」を証明していると感じたのです。この身体的な「感覚」を遥かに超えた「時空」で、誰かと確かに繋がっているという精神的な「感覚」が、私の「意識」を強く揺り動かしたのです。
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by artbears | 2014-03-30 13:04 | 夢白


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