夢博士の独白



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巨大な満月と無言の影法師、恐怖から不安へと変わる感情、静寂の歌声又は花開く種子

何かが発生しようとしている。何かが、私を待ち伏せしているような「気配」が漂っていたのです。全ては、この石造りの「階段」を下りて、あの「角」を曲がれば分かることでした。視上げると、巨大な「満月」が、私を見下ろす「視線」となって、私の背後を監視していたのです。視下ろすと、無言の「影法師」が、私を見上げる「幻影」となって、私の前途を暗示していたのです。「恐怖」が這うようにして近付いて来ました。得体の知れない「感情」が、私の「内部」で満ち潮となっていたのです。苦しくて先が視えない、息ができなくなったらどうしよう、私は「恐怖」の感情に溺れそうになりました。にもかかわらず、私の両足は、まるで魔法をかけられた「箒」のように自動歩行をするではありませんか。「止まれ!」と心の中で叫んでも、それは、私の「命令」を無視して、まるで地上を徘徊する「生物」のように動くのです。しかも、実に柔らかくて軽い、まるで空中に漂う「浮雲」のように軽快に歩む。それは「自由」に動いている。私は躊躇した。なぜならば、あの「感覚」が、あの足の裏に貼り付いた重くて長い、押し殺した「溜息」のような「感覚」が消えていたからなのです。私は浮上している。私は戦慄した。なぜならば、この「階段」から転落するという可能性を、私自身を超越した「外的可能性」を認識したからなのです。まさに危険に満ちた「世界」が現れたのです。これでは、まるで路肩に転がる小石と同じ「運命」ではないかと、「夢」の中でふっと思った「瞬間」、私の「意識」も浮上して、私は「階段」を注意深く下りている私自身を見付けることができたのです。私は安堵した。なぜならば、そこに、転落するという外的可能性を回避しようとする私の「意志」と、私の「内的可能性」が視えたからでした。私は自らの安全を「選択」していたのです。得体の知れない「感情」は、引き潮となって消えて行きました。ところが、私の頭上にまで昇り詰めた「満月」は、その「狂気」を宿した「視線」を、私の「脳内」に垂直に突き刺さる「矢」として放ったのです。「狂気」が、私を貫いたのです。すると、無言を決め込んでいた「影法師」は、唐突に多くを語り始めて、それらの「言葉」は「幻影」となって、私の四方を取り囲むことになったのです。一人の「影法師」がカードを配りました。彼等は、私の「顔色」を窺いながら、それぞれに何かが書かれたカードを開いたのです。そこには、この「状況」から導かれる、あらゆる論理的可能性が書かれていました。その中にはもちろん、私が自らの「意志」によって、この「階段」を踏み外すという「選択」も含まれていたのです。何という「自由」、何という「可能性」、私は自らの「自由」に恐怖を覚えるとともに、その感情は「不安」となって、私の「内部」で増殖して溢れ出したのです。それは、私が自らの安全を「選択」すること、その行動には、それと相矛盾する行動を「必要条件」としていたからでした。そして、その行動を「選択」する「自由」が、私の「可能性」として存在していたのです。あの「満月」の「狂気」に応えて、私が破滅的な行動を取らないという何の「保証」もなかったのです。ところが、この「状況」に目眩を覚えて前後不覚となった私は、何と「階段」から足を踏み外して転がり落ちてしまったのです。私の「意識」は、暗く深い「闇夜」に消えて行きました。次の「夢」が開いたのは、前の「夢」で予告された、あの「角」の手前の石畳の冷たい「感触」からでした。朝焼けの仄かな「弱光」の下、私は角の取れた丸い「玉石」にそっと耳を押し当てていたのです。「玉石」の深奥から聴こえる静寂の「歌声」は、私を魅了して止まないものでした。それは、静寂という「音」ではなく「声」だったのです。そして、その無音の「歌声」は無言の「幻影」となって、私の側らに近付いて、一粒の「種子」を置いて行きました。やがて、その「種子」は、私の「意識」の中に宿り、大きな薄紫色の「花」を咲かせたのです。優しく慈しみに充ちた「色彩」が、私の「脳内」に拡がりました。私の「内部」で増殖した「不安」は、その「色彩」の美しさに吸い込まれて行ったのです。私は起き上がって、あの「角」を曲がりました。そこで、私が視たものは、石造りの「階段」と、その頂上に燦々と輝く「太陽」だったのです。そこには、私の「可能性」を超越した世界への「信頼」と、それを支える自然の「摂理」が存在しているように視えました。あの悪魔的な「自由」が持つ偶然性に襲われることもないように思われたのです。
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by artbears | 2013-09-30 19:57 | 哲学


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