夢博士の独白



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永遠なる時間と特別なる瞬間、夢の中で開く夜の花、崩壊する内なる文明と精神の矛盾

どのような特別な「一瞬」であっても、決して私の「内部」に留まることなく、何の未練も残さずに規則的に通り過ぎていくのです。それは、夕方の雷鳴の大きな「音響」も、朝方の曙光の微かな「色彩」においても然りなのです。どのような特別な「一瞬」であっても、いつかは均質的な「時間」の流れに合流して、いつもの無気力なしなやかさを取り戻すのです。そう、「時間」は常に、私の「外部」に存在していたのです。目が覚めて「意識」の一部が開いた時、「夢」の出口に立っている私の「後姿」がぼんやりと見えて来たのです。彼は恐らく、中途半端な自分自身の「存在」に戸惑っていたに違いありません。彼は「夢」の入口に消えていくもう一人の私の「後姿」を見ていたのです。彼は振り返った。その「顔」は鏡の中の「死者」のそれのように蒼白だった。そして、その「瞬間」がどれほど衝撃的であっても、過ぎ去った「時間」として平等に処理されていくのです。やがて「夢」の入口と出口は合体して、その「狭間」で束の間の「生命」を与えられた私の「分身」は消えていきました。しかし彼等は、私の想像の及ばない異質な「空間」で棲息しているのかも知れない。それを思うと、私の心臓は鼓動を速めた。とても甘く、とても柔らかい息遣いを身近に感じた。誰かがここに「存在」する。目が覚めて「意識」の全部が開いた時、存在への「認識」が、私を捉えていることに気付きました。「思考」が背後から始まり、「認識」に追い付いたのです。しかし、この「認識」が明日も生れるという誰の「保証」も無く、明日の朝自体が訪れるという何の「根拠」も無かったのです。あきらかに「世界」は無数の「認識」の下に存在している。しかも日々の新陳代謝を繰り返している。にもかかわらず、そのことを他者の「内部」に入って確かめることはできない。結局は、一つの「認識(神)」が存在するという「前提」で生きていくしかなかったのです。私は「認識」の背後にある「思考」を止めました。すると、未明のまどろみの中、無意識の深く暗い「空間」を逃げる私の分身の「後姿」がぼんやりと見えて来たのです。彼は恐らく、無我夢中で自分自身の「存在」を消そうとしていたに違いありません。なぜならば、「夢」の中においては、思考する「主体」は存在しなかったからでした。私の「分身」に与えられた役回りは、私の「精神」のあくまでも「影」として振舞うことだったのです。私はやっとの思いで、その「影」に追い付きました。合体した我々を待っていたのは、「夢」の中で乱れ咲く「花園」だったのです。「芥子」は赤い花を咲かせ、「百合」は白い花を咲かせていました。夢の中で「夜」が大きく花開いていたのです。天上は弱々しい「月光」に照らされ、地上は黒々とした「暗闇」に侵食されていました。我々が左に進路を取ると、ネオンの「色彩」が揺れる夜の「街」がいきなり現れて来たのです。それは、まるで水槽に閉じ込められた「熱帯魚」のように儚く悲しげでした。雨の降る熱帯ジャングルの「静寂」が視えたのです。「音響」の無い稲妻が光りました。月の「狂気」は水溜りに移されたのです。我々が右に進路を取ると、鮮やかな「色彩」が目に飛び込みました。嘘の花と歌われた夜の「蝶」が飛び交っていたのです。「嘘偽」を肴に酒に酔った「蝶」が舞うという。それは、正気を失った「狂人」の乱舞のように視えたのです。私は「一瞬」、こんなはずではないと感じたのです。なぜならば、この「世界」には「時間」の概念が無いように思われたからでした。ただ亡霊のような「空間」が茫洋と拡がっていたのです。それに、脳裏に映像化された全ての「情報」には既視感があるのですが、全体として現れるとどこかが完璧に狂っていたのです。部分と全体が整合性を失っていたのです。私の「精神」は、この「世界」が生活社会とは異なった「次元」で形成されていることを、そして、一つの「認識(神)」が存在するという「場所」でもないことを「感知」したのです。私は一刻も速く、この「空間」から脱出することを最優先にして「出口」を探しました。私は無我夢中で走ったのですが、地に足が届かない。空回りばかりなのです。おまけに足には「捕虫植物」が纏わり付いて来る。夜の「街」のネオンは水溜りに溶けて、月の「狂気」がそれを笑う。まさに出口無しなのです。ところが、夢は必ず「朝」に閉じると思った「瞬間」、私の「意識」の一部が開いたのです。ぼんやりと朝の「街」が視えて来ました。そこでも、文明社会の崩壊が始まっていたのです。私の「精神」は、解決策の見えない不透明な「時間」の流れに身を任せるしかなかったのです。
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by artbears | 2013-08-28 18:52 | 夢白


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