夢博士の独白



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落ちる水滴と拡がる波紋、忘れられた月又は湖面に写る壊れた月、研ぎ澄まされた詩情

少しずつ表情を変えるはずの「月」の存在が、私の毎日の「日常」から忘れられてしまったのは、いったい何時ごろの出来事であったのかと、「夢」の中でフッと想ったのです。月の「風情」が、私のカレンダーから消えているのです。と言うのは、大半の出来事が「泡沫」の如く消えてしまう「夢」の中に在っては、「月」は太陽に代わる唯一の「非日常」を照らす「光源」であり続けていたからでした。「月」は「夢」の中でも満ちては欠けて、時を刻んでいたのです。そんな思いで「月」を仰ぎ視ると、物悲しさと狂おしさがドッと込み上げて来て、その「感情」は引き潮となって、サッと「月」に呼び戻されて行くのです。そして我に帰ると、「正気」となった私は、月面に写った「狂気」をホッとした心持ちで懐かしんで居るのです。「月」は、離れ離れを強いられた愛おしい存在でもあったのです。昨夜の「雷雨」は激しく、天の怒りが如何ほどのものであったかを窺い知ることが出来ました。弱々しい月の「光」では、決して、雨でしっとりと濡れた屋根瓦を乾かすことは出来なかったのです。ここは何処なのか、「月」を忘れかけていた私は、傍らに眠るもう一人の私に問い掛けました。すると彼は、ここは「北欧」のと或る旧市街地であることを、その証拠として、夜明けを間近にした空には、未だに「有明月」が残っているはずだと呟いたのです。私は彼を起こすことなく、私の眠りの「内側」で彼に会うことにしたのです。暫くすると、同じ方向を見詰める二人の「視線」に気付くことになりました。その方向には、太陽と月つまり「新月」の気配が感じられたのです。この「北欧」の古い街角には、外灯が燈されてはいませんでした。そして、その神話的な世界では、今だに「月」が唯一の夜の「光源」であり、その光が明らかにする「暗闇」には、混沌と無秩序の象徴である氷の「巨人」や海の「怪獣」が蠢いていたのです。それは、現実的な世界での道理や秩序を照らし出す昼の「光源」である「太陽」と、まるで月面における陰影のように好対照をなして、「北欧」の二元論的な世界観を表していたのです。天空では、神秘的なオーロラの緞帳が張られていました。森に住む「妖精」は、虹色の鱗粉を撒き散らしながら飛んでいたのです。私達の「視線」は再び夜空を徘徊して、ようやく「三日月」に出会うことが出来ました。つまり「新月」から三日の時が刻まれたのです。しかし、「夢」の中では、それは一瞬の出来事であり、また永遠の出来事でもあったのです。そして、「半月」迄さらに三日の時が刻まれるのです。私は、知らぬ間に独りになって、月の「孤独」を想って、思わず目頭が熱くなりました。そんな想いで「月」を仰ぎ視ると、尖がった屋根の上で不安定に傾く「三日月」が、それは見ようによっては、月の「雫」で満たされた「金杯」のようにも見えるのでした。そして、雨に濡れた屋根瓦を伝って、月の「雫」がポトポトと透き通るような「湖面」に落下する「光景」が夢想されたのです。落下する一つひとつの「水滴」には、小さな小さな「月」の子供達が閉じ込められていました。これらの「Moonchild」は、羊水で満たされた「水滴」の中で育まれて、「新月」はやがて「満月」となって、最後に「湖面」で花開くという「運命」を生きることになったのです。優しいそよ風が吹き、揺れる柳の枝葉が水面に影を写しました。月の「雫」は、一つひとつ垂直に落下して、金色の「波紋」となって水平に拡がったのです。そして、それらの複数の「波紋」は、お互いに重なり合いながら消えて行ったのです。「湖面」には、無数の壊れた月の「欠片」が残されることになりました。それらは、忘れられた月の「記憶」でもあったのです。優しいさざ波が立ち、水面に写った柳の枝葉を揺らしました。すると不思議なことに、枝葉の影には銀色の蜘蛛の巣がハンモックのように張られていて、ミルク色のコートを着た「月」の子供達が、その上で飛び跳ねていたのです。小さな手には、「花園」から集められた可愛らしい「花束」が握り締められていました。そして、それらの「花束」は次々と、反復しながら流れる「時間」の「水流」に放たれたのです。花たちは散けて、白とすみれ色を基調とした「花弁」は、金箔の月の「欠片」と混ざり合いながら、穏やかで美しい「湖面」に拡がったのです。ここは何処なのか、忘れかけた「月」を想い出した私は、傍らに佇むもう一人の私に語り掛けました。その時、彼の「視線」を通して見えた「湖面」には、十五夜を間近にした「満月」の煌々とした姿が写っていたのです。私達は、その「月光」の明るさに驚かざるを得なかったのです。
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by artbears | 2012-09-28 20:22 | 夢白


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