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夢博士の独白



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とても深い夜、岸辺に辿り着いた黒い影、再びの深い夜、傷口としての殺意と夜の言葉

その「講堂」の屋根瓦には、青空に浮ぶ雲と呼ぶよりは、さざ波が立った水色の海面に写る「白雲」が描かれていたように記憶するのです。それは、私の「心象」に刻まれた烙印となって、とりわけ深い眠りにおいて、私の「夢」を支配し続けて来たのです。そして沈黙を決め込んでいた鳥達が、一斉にざわめき立つ夜更けが近付くと、「白雲」を岸辺と見做した黒い恋人達は、何処からともなく集まり、ささやかな贈り物を交換し合ったものでした。とても深い夜、まるで死のような夜、そこは私の「傷口」、夜の「言葉」が溶け落ちるプライベートな「空間」だったのです。ロッカーの「鍵」をソッと手渡された私は、まるで暗殺者の「心臓」を運ぶ仲買人のように、「夜」への道順を用意周到に選んでいたのです。バリケードの「内」には、影のように佇む「樹木」が、深々とした夜の「心臓」にまで続いているように視えました。防御目的で積まれたロッカーの「迷路」を、まるで青い鳥を探し求める「少年」の無邪気さで歩き回った私は、偶然が必然を呼び寄せるようにして、「運命」のロッカーに辿り着いて居たのです。鍵穴からは、既に赤い「血液」が流れ出していました。にもかかわらず、あの「鍵」を衝動的に刺し込んだ私は、私の「内」に秘められた「殺意」を自覚せざるを得なかったのです。ロッカーの「内」には、ブラックダイヤの放つ輝きのように、私を魅了して止まないヘルメットが上段に、そして、地響きのような強烈なビートを弾くであろうベースギターが下段に置かれていました。しかし、あの聖書的風景に観えた「岸辺」に集まる黒い恋人達を想った時、黒ヘルは棚からゴロンと落ちて、私の足元に転がる単なる黒石へと変じたのです。再びの深い夜は、「予言」に従って訪れて来ました。その「講堂」の舞台裏には、サイケデリックと呼ぶよりは、ノイジーでアナーキーな「殺意」の塊のようなサウンドが、フィードバックされて淀んでいたように記憶するのです。客席は黒色の海面、夜の「言葉」をも呑み込む母なる「大海」、ラリーズの暴力的で投槍なサウンドは裸体となって、次々と「大海」の底に静かに沈み、鎮魂と悔恨の「死体」へと変じたのです。「大海」の表面には、おぼろげな「情念」の世界が残され、「言葉」は決して「銃」に置き換わることはなかったのです。しかし、私の両腕には、この暴力に駆り立てる「情念」が、パックリと切り裂かれた「傷口」として残されました。その「傷口」を視る度に、深い夜は向こうから訪れて来るようになったのです。鞍馬の「山道」を暴走するバイクの後部座席に跨った私は、前方からの強烈な「光線」に目を射抜かれ、盲目の吟遊詩人となって、夜の「言葉」を諳んじて一人悦に入っていたものでした。眼下に観えるはずの「渓流」さえも、「血流」に見えると思えば視える、それ程、私の眼球は「充血」していたに違いありません。黒ヘルと黒石が玉石混合した砂利道を、フルスロットルで駆け抜けるバイクの運転は他人任せ、私は、私の飢餓感を満たす「他者」を探し求めていたのです。そして、京都の一年限りの四季は移ろいで、やがて灼熱の夏、村八分に会った頭脳的警察の「追跡」からも逃れて、バイクは秋深い黄昏の「岸辺」に辿り着いて居たのです。対岸とその湖面には、夜の「森林」が鏡のような正確さでさかしまに映し出されていました。岸辺を離れて「対岸」に渡るべき時は、またしても向こうから告げられたのです。それは、対岸に目指すべき「光」が視えたからでした。あの「会館」のロビーには、アナーキストと呼ぶよりは、自らの精神の「自由」を守り、あらゆる「権力」の抑圧と侵害に反対する、そうした家族的類似性を分ち合った「個」が集まっていたように記憶するのです。そして、そのユニットのフリーキーなサウンドは、我々の「心情」を代弁するかのように強靭で闘う「精神」を映し出したものでした。「音楽」の構造は強固なもので、決して予定調和や妥協の余地の無いものでした。そして何よりも、彼等のサウンドは何度も何度もクライマックスに挑みながらも、達することの出来ない失念と挫折のカタストロフィーを経験し、しかし持続する「意志」はそのことで逆に、理念としての「自由」とその永遠性を獲得することが出来ていたのです。テイラーのピアノは、全速力で階段を駆け登り、そして駆け降りるように疾走することで、ユニットの追及すべき「音楽」の方向性と全体像を外部から把握し、内部からコントロールしていたのです。この純粋権力への「意志」と支配者としての「欲望」は、京都の「風景」に拡散して浸透して行ったに違いなかったのです。
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by artbears | 2012-06-22 20:36 | 音楽


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