夢博士の独白



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滑空するトンビと威嚇するカラス、川床に置かれた飛石、北方からの抑制された光と影

北方に位置する「山脈」から湧き出る源流が束ねられて「河川」となり、この「中洲」の下流で合流して、そのまま南方に位置していた「湖沼」へと流れ込む、それを東西に位置する「丘陵」が取り囲むという「背山臨水」の設計思想が、この「都市」に独特の清涼感と安住感をもたらしていたのです。突発性の「烈風」に平手打ちを食わされたのは、そのような「場所」でのことでした。北方からの「水圧」を押し返すように吹き付ける南方からの「風圧」は、それが何等かの「変化」の前触れであることは、先人から語り継がれて来たことに違いなかったのです。風雲急を告げるとは正にこのことなのかと、私達は思わず顔を見合わせたのです。「上空」では、黒く青みのある濡羽色をした「翼」を大きく広げた数羽のカラスが、集団パニックとなって旋回を始めていました。「不吉」な予感が通り抜けたのです。「中洲」の南端まで辿り着いて居た私達は、北端まで引き返すという選択肢を捨て、「川床」に規則正しく置かれた「飛石」を伝って、西側に位置する「河川敷」に渡る「判断」を阿吽の呼吸で下したのです。ところが、私達の飛べる「体力」の消耗は著しく、飛ぶべき「距離」は相対的に増幅して感じられるという「関係性」に、立ち往生せざるを得なかったのです。しかし、残された「体力」を引き返すことに消費すべきでないという、私達の「認識」は一致を見ていました。上流からの「水圧」は増水という現実的な「脅威」となり、「飛石」は様々な動植物の避難の「場所」となったのです。しかも、その「飛石」自体が規則性を失った、ランダムで相互にバラバラに配置されたものに「変化」してしまったのです。アオサギは彫刻のように微動すらしない姿勢で、何かを凝視していました。連れ添いと逸れたオシドリは、やはり「絶望」の面持ちで、遠くをぼんやりと眺めていたのです。彼等の「諦観」の念に染め上げられた「視線」には、ある種の仏教的なニヒリズムの「影」を視て取ることも可能でした。そして、次に飛び移るべき「飛石」を探しあぐねていた私達が出合ったのは、胴体が褐色と白の斑模様の羽毛で蔽われ、黒褐色の隈取から鋭い「眼光」を放つトンビの「目」だったのです。そして彼は、何等かの「確信」を得た面持ちで、南方からの「風圧」を読み取り、上昇気流に上手くタイミングを合わせて舞い上がったのです。残された私達は、「羨望」の眼差しで見上げるしかありませんでした。「上空」では、尾羽で巧みに舵を取り、仲間達と程好い「距離」を保ちながら、「輪」を描いて滑空する様子が視えました。ところが、その「光景」を、営巣への侵害行為と見做したカラスは、威嚇の「怒声」を発しながら、集団スクランブルの態勢に入ったのです。守るべきテリトリーに対する「認識」の相違によって、かくも「集団」と「個体」の取るべき行動様式が異なるものかを想いながら、そして、これから繰り広げられるであろう「空中戦」の結末を想いながら、今夜の「夢」のカーテンは一旦閉じられたのです。私が、その建物の「窓」から射し込む「光」と「影」を視て、「意識」が目覚めるきっかけを掴んだのは、十四夜を経た「夢」のカーテンが再び開かれたからでした。外部が堅牢な石積みで内部が硬質な木材で造られた、この資本主義の「歴史」を体現しているかのように観える重厚な「建物」には、北方からの極めて抑制された「光」が射し込むように設計された「窓」が在りました。百年の年月を経た「現在」においても、この資本主義の夜明けを告げた「光」は、この「窓」から静かに射し込んで、その「精神」に巣食った「影」を、美しく磨き上げられた「床」に白々しく映し出していたのです。信用、信頼、信義と言った「善」なるものが、インスタントでどこか詐欺擬いの怪しげな「善」に置き換えられているように視えたのです。「労働(人間)」を商品と見做して、「資本(富)」の最大化と偏在化を進めた経済モデルの転換が求められているのです。私は、この蛻の殻となった「建物」の内部を「窓」に向かって歩き、そこから改めて、この「古都」の中心を流れる「河川」を眺めることにしたのです。そこには、心なしか無常の「風」が吹いているように感じられました。そして、もう少し上流では、あの「飛石」が、何ごとも無かったかのように日常の「風景」に溶け込んでいるに違いありません。そして、何よりもの救いである「光景」は、少なくともこの「河川敷」においては、あの邪悪の「陣営」の走狗であるカラスの姿は無く、テリトリーに対する抑制された「認識」を共有したトンビが、その「制空権」を維持しているように視えたことだったのです。
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by artbears | 2012-05-31 21:35 | 社会


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