夢博士の独白



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荒れ狂う日本海、一糸乱れない軍隊の行進と鳴り響く軍靴の音、悪夢と記憶に潜む亡霊

それは、決まってシトシトと「雨」が降る午前3時に起こるものなのです。そして、その「Rain 3am」は、木口を白く塗られた垂木に取り付けられた「樋」の中を、スルスルとまるで不気味な「蛸」の手足のようになって、静かに秘かに行動を開始するのが常でした。私は、そのネバネバした「感触」とあのヌルヌルした「気配」を身近に想像すると、居ても立ってもいられなくなって、思わず、掛け布団を撥ね除けて飛び起きてしまうのです。そして当てもなく、真っ暗闇に向かって、助けを請うのです。それは、まるで救いが、その暗い海のような「暗闇」の中に在ると願うからかもしれません。一体全体、私は何処に居るのだろう、これが何時も、私が私に問い掛ける最初の「自問」なのです。そして、今夜の「Rain 3am」から返って来た「自答」は、私は「深海」に沈潜して、己の感情を煙の如く消し去って傍観者を決め込む、あの不気味な「蛸」なのかもしれない、というものでした。どうしようもない「恐怖」の感覚が冷たい「寒流」となって、私の体内を走りました。私はもだえ苦しみ、そして再び助けを請うのです。やがて、私の「意識」は、体内に流れる温かい「血流」と混ざり合って、深くて暗い「海底」から巻き上がるようにして浮上して、私は私の「所在」の糸口を見出すのです。なんとも言えない「安堵」の感覚が温かい「暖流」となって、私の体内を満たしました。私は平穏な「夢」の大海に漂う「小舟」へと戻れたのです。「夢」の中の時が一つ刻まれました。それは、気が付くとバラバラと「雨」が降る午前4時に起こったのです。そして、その「Rain 4am」は、ザッザッと一糸乱れず行進する「軍隊」とその鳴り響く「軍靴」の音で始まりました。真っ暗闇の何処かに「心」を置き忘れた「軍隊」は、まるで夢遊病者の「集団」のように正確無比な歩調で持って、垂直にかかげた銃口は「天」に向けられ、高く蹴り上げられた「軍靴」は「地」に向かって同時に音を発てて落ちるのです。何と言う力強さ、何とも言えない無力感、のっぺらぼうの「顔」、表情を失った舞踏家の「集団」が整然としかも無目的に、死の「暗闇」へと向かって行進していたのです。「将軍」の死が、新たな歴史の「悪夢」の扉を開けようとしているのです。あらゆる「恐怖」に絡む感情が、繊細な小刻みに震える「小波」となって私の「夢」の「入江」に打ち寄せて来ました。そして「砂浜」は既に流血に染まっていたのです。この「恐怖」の感覚に刺激された叫びの「声」を前にして、全ての論理的な「判断」は揺らぎ、潮が引くようにして消え去りました。東アジアの「政治情勢」の流動化は必至となり、固体化した最後の「冷戦構造」が動く可能性が高まったのは確かなのです。私達の「悪夢」は、まさに始まろうとしているのです。そして、この荒れ狂う「日本海」を狭間にして、私達は幾度の想定外の「極限状況」を経験して来たことかを想ったのです。すると「悪夢」の扉は向こうから開かれ、「記憶」の回路からは様々な「亡霊」が姿を現して来ました。「バルチック艦隊」が吐き出すモクモクと昇る「黒煙」は、まるで坂道を登る蒸気機関車のように疲労困憊した様子を物語っていました。その「蛸」が吐き出す黒墨のようにも見える「黒煙」が次第に晴れ渡った後に現れたのは、日本型リーダーの真髄とも呼べる「軍人」の姿だったのです。彼は組織の進むべき方向を明確に示し、適時に意思決定を下し、決してその「責任」から逃れようとはしなかった。そして、自らは「象徴」の如く振る舞い、組織を「心」でまとめ、守るべき抽象的「概念」を顕かにしたのです。守るべき「概念」とは、もちろん国民国家としての「日本」であり、一部の「集団」に帰属する「価値」ではなかったことは明かでした。一方、「203高地」においては、史上希に見る「激戦」を物語るかのように、銃口から吐き出された硝煙が未だに「白煙」となって漂っていたのです。その「白煙」の合間から視える「軍人」の視線の彼方には、累々と横たわる誠実で忍耐強く、礼節を弁え自己犠牲の「精神」に溢れた兵士達の「亡骸」はなく、もっと向こうの物質や現世的「価値」を超えた「精神世界」が在るように思えたのです。そして、これらの「概念」や「世界」こそが、グローバル経済の進展において、消失の危機に曝されている「上部構造」に他ならないのです。「Rain 5am」は増々激しい「雨」となり、私が過酷な「現実」に戻るべき時間が迫っています。そして、この激しい「頭痛」の原因は、過去の「亡霊」を視たからではなく、未来の「将軍」のリーダーとしての「資質」にあることは間違いなかったのです。
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by artbears | 2011-12-31 17:44 | 世界


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