夢博士の独白



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疾走したアレア、幻影としてのイタリア、異影としての水面に映し出された城とその石垣

その秘密結社の集合場所を記した「地図」を手渡されたのは、土砂降りの雨の中、点滅する信号の「赤」が私の「網膜」に焼き付けられていた「時間」以外には、考えられなかったのです。私の「右手」が欲していたのは「傘」であったはずなのですが、横断歩道を渡り切った私の「左手」が握り締めていたのは、皺くちゃになった「地図」だったというわけです。このように、私の「左脳」は時として、日常と非日常が溶融する「境界」の横断を意識的に促し、私の「右脳」は時として、無意識の「世界」と手を結ぶのでした。つまり、私には、「虚構」を想像することで、「現実」を拡張しようする「性癖」があったのです。そうした私を驚かせたのは、衰退を運命付けられた「街」に突然現れた巨大な、しかも「海」に架かる斜張橋を髣髴させるアーケードの骨組みだったのです。「虚構」そのものを現実化することで、新たな「廃墟」としての「現実」が拡大していたのです。メインストリートを外れることを「選択」した私には、再び「傘」が必要となりました。そして、「雨」で消失した「地図」を持って消沈した私に気付いたのが、ちょうどあの「アレア」の前だったというわけです。確か、「扉」は鋼鉄製の重厚な引き戸になっていて、「黒」の取っ手はまるで氷結した牡鹿の「角」のようにも視え、そのこともあってか、私は「入室」することに「恐怖」の感情を懐いたのです。にもかかわらず、無意識の「扉」は向こう側から開かれたのでした。丁重に出迎えてくれたイタリア人の蒼々とした「顎鬚」は顔の半分を覆い隠し、暗闇の中の微かな「光」に反応する「碧」の「瞳孔」は、彼の心臓の「鼓動」と同調するかのように拡大と縮小を繰り返していました。やがて、「部屋」の奥の薄暗がりの中から、6人の鋭い「眼光」が私を射すくめることになったのです。彼等の「視線」には、自己に内在する小さな「悪」を見詰めるとともに、社会に外在する超越的な大きな「悪」を告発する過激で急進的な「精神」が宿っているように思えたのです。私の「視線」を再び暗闇に移動すると、一際目を引く存在である「緑」のテーブルの上には、真新しい「白」のテーブルクロスが敷かれていました。そして、その上に置かれた完熟したトマトの「赤」が、私の「網膜」に再び焼き付けられることになったのです。それが、生々しい彼等の「心臓」のようにも視えたからでした。暫しの自己を見失った空白の「時間」が経ちました。我に帰ると、6人のアナーキストは私を置き去りにして「戦場」へと疾走していたのです。重々しく想えた「扉」は軽々しく開け放たれ、その間から、燦々と射し込む「太陽」の「光線」が、この特殊な場所である「アレア」を侵食していたのです。そして、私が目を閉じると、「瞼」の内側には、真っ赤に燃え滾る「太陽」が視え、私の心臓の「鼓動」と同調するかのように拡大と縮小を繰り返していました。彼等の「赤」は、私に手渡されていたのです。そして、私が再び目を開けると、開け放たれた「扉」の左側には、鋼鉄製の堅牢な「窓枠」が在り、各々の「窓枠」には9枚の「地図」が嵌め込まれていたのです。左上と右下の「窓枠」には、「青空」としての空白の「時間」が在りました。そして、上段には「ローマ」と「ナポリ」が、下段には「ベローナ」と「ミラノ」の「地図」が読めたのです。つまり、「長靴」は上下が逆転していたのです。としても、「アレア」の活動の場所でもあった「ボローニャ」は、きっと中段の何処かに在るはずだと、私の「直感」が稲妻のように閃いたのです。早速、中央に位置する「シエナ」の「地図」を指先でピンチアウトして、無意識の「窓」を開いて侵入することにしました。何と言う豊饒な「大地」、何と言う堅固な「建物」、自然と人間の営みの「歴史」が、圧倒的な物量での「遺跡」として残っているのです。「過去」と「現在」が物質的なネットワークとして視覚的に繋がっているのです。しかし、この豊潤な「伝統」を母体として出現した「前衛」としての「アレア」の姿は、もはや何処にもその「存在」を許されてはいないのです。「失望」した私は、「遺跡」が残る「街」から「廃墟」が増える「街」を通り抜けて、いつもの「日常」へと戻って来ました。私は頭を垂れ足元を見詰めて、「幻影」としてのイタリアを想いながら歩いていたのです。すると左前方には、見慣れたはずの「城」とその「石垣」が、深く沈黙を湛えた「水面」に、逆転した「非日常」の姿で映し出されていたのです。そして、その「過去」と「現在」が繋がった「実影」でもある美しさに魅了された私は、この「世界」には、まだ「異影」の可能性が残されていることを「予感」したのでした。
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by artbears | 2011-09-27 18:27 | 音楽


ソフトマシーン・やわらかいきかいのひとりごとです
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