「ほっ」と。キャンペーン

夢博士の独白



<   2011年 03月 ( 1 )   > この月の画像一覧


暗闇としてのトンネル、未知の構築物と見知らぬ人々の想い、暗い道に燈る新しい心の灯

新幹線が真っ暗闇のトンネルの途中で停まったのは、突然の出来事だったのです。子供達にしか見えないはずの白い頭巾を被った「道化師」が、車窓から「車内」を注意深く覗き込んでは大きな「溜息」を吐いて、小さなキャベツのようになった「頭部」を両手で抱きかかえて、私の目の前に差し出したのです。私と彼を隔てるものは、一枚の硬質なガラス窓でした。「頭部」があったはずの白い頭巾の元の「場所」には、もう一つのトンネルが「ポッカリ」と空いていたのも、当然の出来事だったのです。トンネルの「内部」には逆光を背にして数人の「人影」が浮かび、それらはまるで、白い紙を切り抜いて作られた「人形」のように、頼りなく見えたのです。彼らの足下には、水が「ヒタヒタ」と押し寄せて、やがて、彼らはトンネルの「内部」に引き返すようにして姿を消しました。すると突然、前方にある自動ドアが音も無く開き、慌てふためく「道化師」を追い掛けるようにして、「波濤」が「車内」に雪崩れ込んで来たのです。一瞬にして、それまでの「車内」の間延びした「空気」が、一変したのは言うまでもありません。そして当然、同乗した「乗客」はふ、未来に対する漠然とした「不安」が現実として表れ、それまでの居心地の良い「秩序」が崩壊し、「車内」に緊張感と喪失感が漂い始めたことに気付いたのです。私は、後方の車両に消えた「道化師」こそが、私が怯えながら抱いて来た「妄想」の「化身」であったと、振り返りながら想ったのです。新幹線の通路は夥しい数の「瓦礫」を運ぶ「水路」となりました。そして、私の座席の足元にも水は押し寄せて、あの白い「人形」が「クルクル」と回り続けていたのです。それにしても、この既視感のない「瓦礫」の山で造られた「構築物」を何と呼べば良いのでしょうか。それは、木材や鉄骨、それにケーブルなどの様々な「物質」が意外な結合の仕方を見せて、ある種の自己増殖的な「ネットワーク」が形成されているようにも観えたのです。そして、ブリキ製の「自動車」や「飛行機」などの文明の「利器」が、ちっぽけな「玩具」として、至る所に散在していたのです。それは、未知で不可解な「存在」や「現象」が、あたかも説明可能であるかのような「幻想」を与えて来た「近代科学」の虚を突いた「構造」を呈していたのです。全く「想定」を超えた突然で、今となっては当然な出来事が目の前に立ち現れ、私の「意識」は覚醒を強いられたのです。と同時に、「車内」の水位の急速な上昇に気付いた私は、他の「乗客」と一緒になって、この「構築物」に登る「決断」を下したのです。「構築物」は、まるでジャングルジムのように複雑性の中にも、ある種の規則性が観察される「構造」になっていて、何よりも、他の「乗客」との未曾有の「危機」への「体験」を共有しているという「意識」が、この「構築物」への信頼感と安定感につながっていると思えたのです。かなりの高さまで登った「段階」で、眼下を恐る恐る見下ろすと、そこには、黒く濁った水が白い「波濤」を獰猛なサメの「口腔」のように見せながら、暴れまくっていました。ブリキ製の様々な「玩具」が、それらの「犠牲」になったことは言うまでもありません。そして、堅牢な大黒柱に画鋲で止めてあった、あなたからの手書きの「メール」に気付いたのは、私が次の「段階」まで難を逃れようとした矢先の出来事だったのです。次々と高い「位置」に貼られた「メール」を読みながら、私は、離れた「場所」でいったい何が起こっているのかを知り、何よりも、見知らぬ人々とも、心の「ネットワーク」でつながっていることを感じたのです。「悲劇」に襲われている人々の苦しみや悲しみへの想像力が、そして、悲痛な困難に遭遇している人々への同情心が、私の「内部」から湧き起こっていることを感じたのです。そして、私は、この「メール」に託された人々の「想い」に勇気付けられ、「地上」に這いずり出ることが出来たのです。「構築物」は新幹線の天井を突き抜け、まるで茨の「枝木」のように増殖し、地面に出来た「亀裂」に沿って北上しているように観えました。実は、私の「夢」はここで中断されたのです。しかし、私が「夢中」で歩き続けたことは間違いありません。そして、「夢」が再び起ち上がったのは、三つ目のトンネルを前にした「場面」からだったのです。トンネルを通して視える向こう側の「夜景」は、いつもより街の「灯」が落とされた暗く、静かなものでした。見知らぬ人々が見知らぬ人々を想い、一つの「灯」が消されたに違いありません。私には、仮に夜道が暗くなっても、人々の心には新しい「灯」が燈ったように見えたのです。
d0078609_20532614.jpg

[PR]
by artbears | 2011-03-27 20:29 | 自然


ソフトマシーン・やわらかいきかいのひとりごとです
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
カテゴリ
以前の記事
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧