夢博士の独白



<   2010年 12月 ( 1 )   > この月の画像一覧


入口としての枯れた井戸と洞窟、薫香の導きと真鍮の手摺、出口としての左右が逆の世界

この官能的でどこか哀愁感の漂う薄暗がりの「洞窟」の雰囲気は、まるで聞くところの「子宮」の内部のようであり、私の昨夜の夢とどこかで繋がっている「場所」のようにも想えたのです。そうだとしたら、この「洞窟」の左側の「洞門」の奥には、あの石積みの枯れた「井戸」がきっと存在しているはずだと想ったのです。なぜならば、その「井戸」の「出口」からやっとの思いで這いずり出したところで、私の夢は終わっていたからなのです。すると突然、私の「記憶」ファイルのカメラロールが自動的に開いて、月夜に起立する一本のパインツリーと、その背後を左から右に刻々と移動する「満月」がスクロールして映し出されたのです。恐らく、その「光景」は、私が「井戸」の「入口」から内部に下りる直前に目撃した「一瞬」だったに違いありません。ところが、私を混乱させたのは、次の「一齣」への「脈絡」の無さだったのです。群青色をした水が張られた「水堀」の水面には、大きく口を「パクパク」させながら群がる無数の「黒鯉」が浮上して、それと入れ替わるようにして、より深層から新たな「黒鯉」が競い合うようにして浮び上がって来るのです。そして、それらの無限の無個性の「反復」の中にあって、「一際」目を引きつける色彩の「緋鯉」が、一文字の鮮やかな筆跡を残して泳ぎ去ったのです。つまり、私の「記憶」ファイルのカメラロールには、「写真」と「映像」が未整理のまま渾然一体となって「保存」されていたのです。そして、この表層意識のファイル「分類」と深層意識との「同期」の問題について、夢の中で考えあぐねた結果として辿り着いた「場所」が、この「洞窟」だったという訳なのです。すると突然、甘く切なくもあり、同時に死への「媚薬」のように香り立つ「薫香」が、どこからともなく漂って来るではないですか。私は、この禁欲的でどこか望郷の念を駆り立てる「薫香」とその「香木」を求めて、この「洞窟」を彷徨い歩くことにしたのです。「洞窟」の中央には、真鍮製の柵状になった手摺が緩やかな左回りの曲線を描いていました。私は、その手摺にそっと左手を沿えて、右手で「洞窟」の「壁面」との距離を測りながら一回りしたのです。やがて、「洞窟」が円形のドームを中心にして、左右にⅤ字型の「洞門」が伸びる構造であることを突き止めた私は、「薫香」に導かれるようにして、この「人体」の右脚部分に相当する「場所」に向かったのです。「暗闇」に目が慣れるに従って、私を取り囲む「壁面」には赤い「動脈」と青い「静脈」が網目のように張り巡らされていて、所々から「血液」がシャワーのように吹き出しているのです。私にはそのことが、何かの通過儀式のように想われたのです。すると突然、今度は、私のiPhoneのヘッドフォンから私のミュージックライブラリーに無いはずの「音楽」が流れて来るではないですか。それは、枯れた「井戸」を見て雨が降ることを切望するように、輝く「満月」を見て一本のパインツリーの呟きが聴こえるように、孤独な自らの内面の「洞窟」も、いつかどこかで明るく希望に満ちた「場所」となる「出会い」を求めていると歌っていたのです。思い返してみると、私と「音楽」との「出会い」も、このような不可思議な「文脈」の中で起こって来たのです。暫く、そのことを考えていると、前方の小高く盛り上がった先には、五つの小さな「祠堂」が見えて来て、それが同時に、この「洞窟」の行き止まりであることを告げていました。そして、そこから斜面を下った窪地のような「場所」には、やはり石積みの「井戸」があり、その周りには、あの「血液」が流れ込んで造られた「水輪」が在ったのです。その「水輪」には、完全に浄化され、無色透明の澄み切った「純水」が溜まっていたのです。そして、様々な色彩の「錦鯉」が、我先にとこちらに向かって泳いで来るのです。「錦鯉」は、入水してゆっくりと「井戸」に近付きつつある私の周りに集まって、何かを求めていたのです。しかし、「言葉」が無くても伝わることはあります。私は「錦鯉」の求めるままに「井戸」の中に頭部から入って、二回目の夢は、やはり「井戸」の「出口」から這いずり出すところから始まったのです。この世界は左右が逆でした。そして、起立する六本のパインツリーには、それぞれの「満月」が寄り添って右から左に移動していたのです。「猛犬」が私を見付けて吠え立てました。しかし、顔見知りの人達は私には気付かないようで、私は自分が宙に浮いたような「存在」のように感じたのです。あの「電飾」に飾られたパインツリーをもう一度いっしょに視たいという「願望」が燈ったのは、その時のことだったのです。
d0078609_13471890.jpg

[PR]
by artbears | 2010-12-31 17:34 | 音楽


ソフトマシーン・やわらかいきかいのひとりごとです
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧