「ほっ」と。キャンペーン

夢博士の独白



<   2009年 06月 ( 1 )   > この月の画像一覧


賽の河原のクリムゾンレッドの犀、山頂からの石蹴り、または角に目掛けて放たれた小石

山道の大きな曲り角を右にカーブを切ると、突然、楠木の大木が視界に現れて来たのです。その大木の根が瘤のように隆起した部分は、まるで「地蔵菩薩」の頭部のようにも見えるのでした。そして、そうした大木の根元には決まって、小さな行き場を見失った子供たちの「魂」が、そっと寄添うようにして集まっているものなのです。それは、それが大木ではなくて、どうしてこのような巨石がこのような場所に在るのであろうか、と「ふっ」と考え込んでしまうようなシチュエーションにおいても、目撃してしまうことなのです。私は愛用の赤いスポーツカーを路肩に止めて、広葉樹の葉っぱで出来た緑のトンネルに従って、腰の高さまである熊笹に隠れてしまっている「獣道」を探りながら、河原へと下っている傾斜面を慎重に降りて行ったのです。けたたましい烏の鳴き声の後には、抜け落ちた黒い羽が「くるくる」と回転しながら舞い降りて来て、その光景は、まるで黒光りする「焼夷弾」が天から降り注がれているようでもありました。私の両腕の皮膚を視ると、羽毛を毟り取った後の鳥の肌のように、小さな突起物が「ポツポツ」と生まれ、それは、まるで体内の恐怖感や不快感と言った感情の「噴火口」のようにも見えるのでした。私は更に、私の身体の60%が「水」で構成されているという事実を思い、これらの感情も、この「水袋」の皮膜の表面に浮かび上がって来ては、「出口」(エントロピーの低下)を求めて漂っている存在のように想えたのです。ならば、私が山道を登ることを止め、車を降りて、河原に出ようという「意思決定」をした背後には、どのような「化学的代謝反応」が起こったのであろうか、と自問してみたのです。しかし、科学的思考の不得意な「運命論者」である私の自答は、何か(小さな魂)を「透視」したことが、私の「意思決定」に何らかの影響を与えたはずだと言う、相変わらずの論理性の欠如したものでした。そして、それは釈迦の説いた「因果倶時」(原因と結果は必ず一致する)の観点からも、単なる「条件反射」的行動のように思われたのです。やがて、緑のトンネルの「出口」が前方に見えて来ました。そこからは、擦りガラスを通したような濁った光が差し込んで来ているのですが、それは、「出口」の先の世界が、決して心地良さを保証してくれるような「場所」ではないことを予感させるものでした。なぜならば、「焼夷弾」は、この河原をかつては「火の海」と化したに違いないと言う、これまた何の情報的根拠もない「先入観」が、私の脳の80%を構成している「水」の深層から「ゆらゆら」と浮上して来たからなのです。そして驚愕すべき事実とは、私の身体の大部分を構成している「水」ですらも、一年間でほぼ完全に入れ換わっていると言うことなのです。つまり、少なくとも物質的に同一の「私」は存在しないと言うことなのです。私は、フーコーの言った「人間の死」は現実に起り得ることであり、私の「鳥肌」という「果」に対する「因」の種(悪)は世界中にばら撒かれていることを知ったのです。一方、私の体内においては、「文字」や「映像」と言った「不変」のものたちが対流を開始していました。そして、それらの「情報」は、「自我」のさらなる発展した「私」を形成し、そうしたバーチャルな「私」がWeb上での他者とのコミュニケーションを欲しているのです。私は、人間の「本質」が「情報」により赤裸々にされる現実に身震いしながら、「賽」の河原に辿り着いたのです。そこで、私が目撃したものは、クリムゾンレッドの「犀」が、子供たちの「魂」が小石を積上げて造り上げた「石舞台」を、その体毛が変化して出来た巨大な「角」で崩しているという光景だったのです。その姿は、「赤鬼」のようでもあり、この世の生物の系統樹からは逸脱したような神秘さと奇妙さに満ち溢れたものでした。そして、あの巨石で出来た「石舞台」が、小石を積上げて出来たピラミッドの頂点で揺れながら存在していることも、奇跡的な出来事だったのです。「石舞台」の上では、子供たちの「魂」が右往左往している様子が、この少し離れた安全な「場所」からは観察出来ました。そして、一つの「魂」が一つの小石を蹴ったことから、事態は新たな進展を迎えたのです。無数の小石が頂上から転がり落ちて、「犀」の分厚い鉄板のような皮膚に当って砕け散ったのです。私も無我夢中になって、小石を放ったのです。小石は一発必中を果しました。私を驚かせたことは、こちらに向かって猛然と突進を開始した「犀」の頭部には、釈迦が「犀の角のようにただ独り歩め」と説いた「角」は消え失せていたことでした。
d0078609_14421838.jpg

[PR]
by artbears | 2009-06-30 19:49 | 社会


ソフトマシーン・やわらかいきかいのひとりごとです
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧